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No.185 December.28, 2021
 
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北京の雍和宮
 
目 録
ニュース
ニース分類第11-2022版の発効に関する通知
中国とカンボジアが意匠協力了解覚書に調印し、意匠認可プロジェクトを開始
2021年日米欧中韓意匠五庁長官共同声明、日米欧中韓商標五庁長官共同声明を発表
中国・ポルトガル特許審査ハイウェイ(PPH)試行プロジェクトを再度5年延長
第15回中国・欧州特許庁長官会合が開催
注目判決
集佳が代理人を務めた金蝶公司が権利保護に再び成功:従業員が離職後に顧客名簿を開示、使用し、営業秘密侵害を構成
集佳が代理人を務めた有名会計士事務所がブランドの権利保護にかかわる初の民事訴訟の一審で勝訴
100回以上の取引が真の使用意図のない名目的な使用であるとの性質決定がなされ、集佳は二審で判決を覆し冒認出願された商標「EVISU」の登録取消しに成功
集佳の最新動向
集佳の13名のベテラン代理師が北京市専利代理師協会知的財産権保護サービス専門家データベースに選出
 
 
ニュース

 
ニース分類第11-2022版の発効に関する通知

 

  世界知的所有権機関の要求に基づき、ニース協定の各加盟国は2022年1月1日から《標章の登録のための商品及びサービスの国際分類》(ニース分類)第11-2022版を正式に使用する。出願日が2022年1月1日およびそれ以降の商標登録出願は、商品とサービス項目の分類を行う際にニース分類の新版を適用し、出願日がそれ以前の商標登録出願はニース分類の旧版を適用する。ニース分類に基づき、国家知識産権局商標局は《類似商品及びサービス区分表》に相応の調整を行い、ここにニース分類と《類似商品及びサービス区分表》の変更内容を併せて公布する。

  ダウンロード先:NCL(11-2022)版中国語版および区分表の変更内容

  国家知識産権局商標局

  2021年12月27日

  (出典:中国国家知識産権局)

 
 
中国とカンボジアが意匠協力了解覚書に調印し、意匠認可プロジェクトを開始

 

  2021年12月31日、『中国国家知識産権局とカンボジア工業科学技術革新省との意匠協力了解覚書』が調印・発効し、中国とカンボジアは意匠認可プロジェクトを開始し、カンボジアは条件を満たす中国の関連意匠の出願に対する審査を加速する。

  当該了解覚書は中国国家知識産権局が意匠分野において調印した初めての二国間協力協定であるとともに、中国とカンボジア双方が意匠分野においてさまざまな協力を実施する共通認識が明確にされたものであり、中国とカンボジアの意匠認可プロジェクトの迅速な実現を促す見通しである。当該了解覚書の調印・実施により、両国のイノベーションの主体により便利で効率的な知的財産権サービスが提供され、「一帯一路」の知的財産権協力構想の実現が推進され、中国とカンボジア両国の全面的戦略パートナーシップの内容が充実される見通しである。

  (出典:中国国家知識産権局)

 
 
2021年日米欧中韓意匠五庁長官共同声明、日米欧中韓商標五庁長官共同声明を発表

 

  2021年11月1~2日、3~5日に、中国国家知識産権局が2021年日米欧中韓意匠五庁長官年次会合および2021年日米欧中韓商標五庁長官年次会合をオンライン形式で開催した。会議では、五庁の代表がそれぞれ『2021年日米欧中韓意匠五庁長官共同声明』および『2021年日米欧中韓商標五庁長官共同声明』の内容について合意した。2件の声明はいずれも現在すでに各庁の審査手続きを経て、正式に対外的に発表された。

  (出典:中国国家知識産権局)

 
 
中国・ポルトガル特許審査ハイウェイ(PPH)試行プロジェクトを再度5年延長

 

  中国国家知識産権局とポルトガル国家工業所有権庁は、中国・ポルトガル特許審査ハイウェイ(PPH)試行プロジェクトを2022年1月1日から2026年12月31日まで再度5年間延長することを共同で決定した。両庁におけるPPHの申請に関する要求事項と手順に変更はない。

  中国国家知識産権局は2014年1月1日にポルトガル国家工業所有権庁とのPPH試行プロジェクトをを立ち上げた。同プロジェクトは2021年12月31日までに2回延長されている。

  (出典:中国国家知識産権局)

 
 
第15回中国・欧州特許庁長官会合が開催

 

  先ごろ、第15回中国・欧州特許庁長官会合がオンライン形式で開催された。中国国家知識産権局の申長雨局長と欧州特許庁のアントニオ・カンピーノス長官が共に会合に出席した。

  申氏は次のように述べた。「両庁の協力の成果が次第に多くの知的財産権の使用者に恩恵をもたらし、中国と欧州のイノベーションと経済・社会の発展に寄与しつつあり、双方が共に努力し、両庁間の協力を継続的に深化し、より多くの成果を収めることを期待する。」

  アントニオ・カンピーノス長官は、「現在新型コロナウィルスの感染拡大の状況の下で中国の使用者による欧州での特許出願件数が大幅な増加傾向を継続的に維持し、出願の質も急速に向上しており、欧州特許庁は中国の使用者の需要を満たすためにより良いサービスを積極的に提供するつもりであり、今後も両庁が各自の先進的な経験を積極的に共有し、協力の新たな局面を継続的に開拓することを期待する」と述べた。

  会合の終了後に、双方は中国・欧州両庁協力2022年度活動計画およびEPOQUE Netに関する協定に調印した。

  (出典:中国国家知識産権局)

 
 
注目判決

 
集佳が代理人を務めた金蝶公司が権利保護に再び成功:従業員が離職後に顧客名簿を開示、使用し、営業秘密侵害を構成

 

  事件の概要:

  金蝶公司は1990年代に設立され、会計用ソフトウェアと会計伝票用紙分野において長年の実績があり、同業界のリーディングカンパニーである。

  黄洋は2008年4月に金蝶公司と2008年4月から2011年4月までを契約期間とする『労働契約』を締結し、販売兼サービス業務に従事した。2012年7月に、金蝶公司は黄洋を西部地域の総監(Director)に任命し、購買・物流、成都市における販売などの業務を担当させた。2013年6月に、黄洋は原告から離職した。

  財智公司は2012年7月に設立され、2013年1月から2014年12月まで、金蝶公司は財智公司を「金牌伙伴(ゴールドパートナー)」および「経銷商白金伙伴(代理店プラチナパートナー)」などに指定し、権限を付与した。2014年4月に、金蝶公司は黄洋に「2014年KIS旗艦版実施」職業資格証明書を授与した。2015年8月に、黄洋は財智公司の全株式を保有する株主となるとともに、法定代表者となった。2020年7月に、すなわち本件が立件された直後に、財智公司の法定代表者が周国秀に変更された。

  金蝶公司はそれぞれA社と2009年1月から2015年5月まで、B社と2009年1月から2015年3月まで、C社と2011年5月から2015年4月までの期間に会計伝票などについて取引を行い、領収書を発行しているが、領収書に表示された単価はいずれもXであった。

  2014年12月に原告と財智公司の間の授権関係が終了した後に、財智公司はA/B/Cの3社と2015年3月から2017年10月までの期間に領収書を発行し、双方は会計伝票に関する取引を行い、その単価はいずれもXであった。

  金蝶公司は黄洋と財智公司の前述の行為は自社が顧客名簿に対して有する営業秘密の侵害であると判断し、2020年7月に成都市中級人民法院に提訴し、黄洋と財智公司によるその営業秘密侵害が、不正競争を構成すると主張した。

  法院の判決:

  審理を経て、成都市中級人民法院は2021年9月27日に本件の判決を下し、黄洋と財智公司に対して判決が発効した日から原告が保有し、顧客名簿をその具体的な形式とする営業秘密の使用の即刻停止を命じた。さらに黄洋と財智公司に対して原告の金蝶公司の経済的損失と合理的支出を連帯で賠償することを命じた。現在、被告は上訴を提起しておらず、当該事件の判決はすでに発効し、終局判決となった。

  典型事例の意義:

  本件は成都市中級人民法院による顧客名簿の営業秘密に関する典型的な判例であり、当該判決は企業内部のリスクの予防と制御に対する警告として非常に大きな役割を果たしている。本件の典型事例の意義は主に「顧客名簿の構成要件の判定」と「離職した従業員による営業秘密侵害の判断」の2点に具体的に表れている。

 
 
集佳が代理人を務めた有名会計士事務所がブランドの権利保護にかかわる初の民事訴訟の一審で勝訴

 

  事件の概要:

  致同の前身は北京会計士事務所であり、1981年に設立され、改革開放後の北京市において第1号の会計士事務所であり、中国で最も歴史のある会計士事務所の1つでもあり、その後次第に成長し、会計監査、税務、コンサルティング、評価と査定、プロジェクト管理などの全方位的な専門サービスが提供可能な総合ビジネスコンサルタントとなった。2009年にGTILに加盟し、中国における唯一の加盟事務所となり、2012年に正式に名称を「致同」に変更し、「致同国際」はGTILが全世界で唯一使用する中国語名となった。サービスを提供する顧客には中国石油化工集団有限公司、中国石化新疆能源化工有限公司、中石化煉化工程(集団)股份有限公司、中通国脉通信股份有限公司などの国内の有名大手企業が含まれる。

  致同は第35類会計、第36類金融サービス、第42類無形資産評価などのサービスについて許可を受け登録されている商標「致同」の権利者であり、致同国際による授権を受け、第35類会計サービス上の商標「 」、第36類金融サービス上の図形商標「 」を使用する権利を有し、さらに当該2件の図形商標について権利保護を行う権利を有する。長期にわたり幅広く宣伝、使用されていることにより、上述の商標はすでに非常に高い知名度と影響力を有する。

  致同(蘇州)資産評価有限公司は2019年4月に設立され、登記住所は蘇州工業園区にあり、2021年9月(一審過程において)に「財信(蘇州)資産評価有限公司」に名称を変更した。2020年に、致同(蘇州)資産評価有限公司は「」をその微信(WeChat)公式アカウントのアイコンとして使用し、当該公式アカウントで発表する文章の末尾の「私たちについて」の部分で「【致同】」という表現方式を使用した。また、致同(蘇州)資産評価有限公司はさらにその公式ウェブサイトの「会社紹介」の部分で会社の略称を「致同評価」とし、その発行した『資産評価報告書』のトップページに「致同」の文字と「」のマークを使用した。財信公司は改名前に、微信公式アカウント名、公式ウェブサイト、会社の登記住所、事務所住所、発行した『資産評価報告書』などの多くの部分に「致同(蘇州)資産評価有限公司」のフルネームを使用し、さらに微信公式アカウントの文章の末尾でもその「本社は北京市にある」と記載し、公式ウェブサイト上で自社が「中国石油、中国石化…などの国内外の有名企業に相次いでサービスを提供している」と紹介した。

  警告しても是正しない状況の下で、致同は集佳に致同(蘇州)資産評価有限公司に対する訴訟の提起を委託した。集佳の弁護士は受諾後に権利としての商標の知名度と権利侵害者の主観的な悪意を2つの重要な切り口として、主に権利侵害という定性的な観点と賠償という定量的な観点から大量の基礎的な作業を行った。

  法院の判決:

  江蘇省蘇州市中級人民法院は審理を経て次のように判断した。財信公司が「致同」と営業標識である「 」を使用する行為は商標権侵害を構成し、「致同」の文字をその企業名として対外的に宣伝する行為は不正競争を構成し、「本社は北京市にある」、「複数の国内外の有名企業にサービスを提供している」と紹介する行為は他人の誤解を招く虚偽の宣伝を用いた不正競争行為を構成することから、財信公司に対して本件にかかわる商標権侵害と不正競争行為を直ちに停止し、致同のために影響を除去する旨の声明を掲載し、経済的損失および合理的支出計100万元を賠償することを命じる判決を下すものとする。

  財信公司は一審判決を受け取った後に、主体的に致同に連絡を取り、一審判決を受け入れる旨の意思を表明し、判決の執行と和解に関する事項について話し合いを試みたが、双方の話合いは不調に終わり、財信公司は一審判決に対して控訴を提起した。

  典型事例の意義:

  本件は致同がブランドを守るために民事訴訟を通じて権利保護を図った初めての事件であり、今回の権利保護を通じて、その合法的な権益が初歩的に保護されただけでなく、その他の権利侵害者および潜在的な権利侵害者に対しても一定の抑止効果を発揮することが可能である。

 
 
100回以上の取引が真の使用意図のない名目的な使用であるとの性質決定がなされ、集佳は二審で判決を覆し冒認出願された商標「EVISU」の登録取消しに成功

 

  先ごろ、集佳が代理人を務めた有名な流行ブランド の権利者である捷爾普国際有限公司は、羅某が冒認出願した「EVISU」に対する商標登録取消不服審判審決取消訴訟事件において、3年不使用取消請求、商標登録取消不服審判、一審、二審を経て、北京市高級人民法院において最終的に勝訴した。

  事件の概要:

  係争商標「 」は自然人の羅某が保有する第9類「スピーカー、マイクロホン、ヘッドホン、イヤホン、音響機器用コネクタ、ポータブルメディアプレーヤー」などの商品上の登録商標であり、登録出願人は実際に使用されていることを証明するために、係争商標にかかわる100回以上の商品販売記録に関する鑑定証明書を提出した。北京知的財産法院は一審でこれらの証拠は係争商標が「イヤホン」などの商品上で実際に使用されていることを証明することができるものと認定し、引き続き係争商標の有効な登録を維持することとした。

  二審において、代理弁護士は踏み込んだ調査分析を行った。第1に当該鑑定証明書に記載されたオンラインショップの販売記録において、互いに矛盾があり、相反する複数の注文情報を詳細に分析し、関連会社の間に複数の架空取引行為が存在することを証明した。このような真の取引目的によらないまたは不正な目的によるネットワーク上での架空取引行為は、係争商標の登録を維持することができる商標使用行為と認定すべきではない。第2に代理弁護士は次の事実を立証・証明した。権利者が以前係争商標の登録出願人から係争商標を購入しようとした時期、係争商標を用いた100件以上のオンラインショップの取引の実施時期、係争商標の登録出願人が以前登録商標を偽造した「イヤホン」商品を販売する犯罪行為に協力したことなどの証拠。これらはすべて登録出願人が主観的に商標を本当に使用する意図があるか否かを法院が判断する上で重要な役割を果たし、登録出願人に係争商標を本当に使用する目的がないことをさらに確実にするものである。したがって、係争商標の取引記録の数は多く見えるが、これらの「イヤホン」商品の取引行為は商標登録を維持するために行った名目的な取引であり、係争商標の有効な登録を維持するための法律効果を生じさせるには不十分である。

  最終的に、北京市高級人民法院は一審判決を取り消し、権利者の捷爾普公司が主張する係争商標の登録を取り消すべきであるとの請求を支持した。

  典型事例の意義:

  本件は名目的な取引行為の性質決定の慣例を破る事件であり、「架空取引または関連取引からなる虚偽の取引記録による名目的な取引の性質決定」について、代理弁護士がさまざまな調査を経て立証したことにより、本質的に真の使用意図のない使用証拠が、表面上は合法的な証拠の形式であるが、有効な商標使用の証拠と認定することはできないことを証明した。

 
 
集佳の最新動向

 
集佳の13名のベテラン代理師が北京市専利代理師協会知的財産権保護サービス専門家データベースに選出

 

  先ごろ、北京市専利代理師協会が「北京市専利代理師協会知的財産権保護サービス専門家データベース専門家名簿(2021)」を公表し、集佳の複数の代理師が選出された。そのうち、集佳のベテラン代理師である丁媚、王宝筠、劉雯鑫、杜燕霞、李新燕、張春水、鄭斌、郭化雨、董敏、舒艶君などの10名の専門家が研修類専門家データベースに選出され、李帯娣、陝芳芳、薛晨光などの3名の専門家が権利保護ボランティア専門家データベースに選出された。