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No.175 February.28, 2021
 
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泰山
 
目 録
ニュース
戦略的新興産業分類と国際特許分類の対照表を初公表
中国・EU地理的表示保護協定発効 第1弾リスト掲載産品保護
中国-オーストリア特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが再延長
中国・タイ知的財産権機関、知的財産権協力了解覚書を格上げ
注目判決
集佳による特許行政クレーム ドイツFidlock社の特許の合法的権益保護
集佳が代理を務める同方威視は商標審査に対する行政訴訟、検察監督案件で勝訴を収めた
集佳が代理を務めるデュラセル社が電池の色彩の組合せ商標権保護に成功
 
 
ニュース

 
戦略的新興産業分類と国際特許分類の対照表を初公表

 

  このほど、中国国家知識産権局が初めて対外的に「戦略性新興産業分類与国際専利分類参照関係表(2021)(試行)(戦略的新興産業分類と国際特許分類の対照表)」を公表した。

  この対照表は「戦略性新興産業分類(2018)」に基づき作成され、産業の直接対照、全面網羅および応用優先の原則に従い、実際の実行可能性および動的調整可能性を重視し、情報技術産業、ハイエンド機器製造産業、新素材産業、バイオ産業、新エネルギー自動車産業、新エネルギー産業、省エネ・環境保全産業、デジタルクリエイティブ産業、関連サービス業の9大戦略的新興産業と国際特許分類の対照関係を構築し、対照関係計1,872件を構築し、全部で第二層戦略的新興産業分類計40、国際特許分類表8部、89大分類、317小分類、2,893大グループ、3万5,473小グループに及ぶ。

  (出典:中国国家知識産権局)

 
中国・EU地理的表示保護協定発効 第1弾リスト掲載産品保護

 

  3月1日、国家知識産権局は公告を発表し、キプロスのズバニアなど96のEU産品に対し地理的表示保護を行うことを承認した。「中華人民共和国与欧州連盟地理標志保護与合作協定(中華人民共和国と欧州連合の地理的表示保護および協力協定)」第1弾リスト掲載産品はその日以降、中国の地理的表示保護を受けられるようになった。

  公告によると、国家知識産権局は審査合格を経て、欧州委員会が提示したキプロスのズバニア、チェコのブドヴァイゼルビール、ミュンヘンビール、デンマークのブルーチーズ、アイリッシュウイスキーなど中国・EU地理的表示保護協定第1弾相互承認・保護リスト掲載産品の中国における地理的表示産品としての保護が確定した。これより前、2月9日に欧州委員会は声明を発表し、中国・EU地理的表示保護協定が3月1日にEUで発効することを確認し、第1弾100品目の中国産品も同時にEU全域で地理的表示保護を受けるとした。現時点において、中国EU双方は単独申請、相互承認の試行、協定による相互保護などのモデルを通じて累計110品目の中国の地理的表示が欧州で保護を受け、134品目のEU地理的表示が中国で保護を受ける。

  今後4年間で中国はEUと第2弾「175プラス175」中国EUリスト掲載産品の相互承認・保護の技術的準備を推進する。

  (出典:中国国家知識産権戦略網)

 
中国-オーストリア特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが再延長

 

  中国国家知識産権局とオーストリア特許庁の合意に基づき、中国-オーストリア特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムが2021年3月1日から再び5年延長され、2026年2月28日までとなった。両局・庁におけるPPH申請提出の要件とプロセスに変更はない。

  中国-オーストリアPPH試行プログラムは2013年3月1日に始まり、その後、2014年、2016年、2018年と3回延長され、2021年2月28日に終了することになっていた。

  (出典:中国国家知識産権局ウェブサイト)

 
中国・タイ知的財産権機関、知的財産権協力了解覚書を格上げ

 

  3月1日、申長雨中国国家知識産権局局長はVuttikrai Leewiraphanタイ知的財産局長とテレビ会議を行った。会議において双方は「中国国家知識産権局とタイ王国知的財産局による知的財産権協力に関する了解覚書」に署名した。覚書は中国・タイの特許、商標、意匠、集積回路配置図設計および地理的表示など多くの知的財産権分野における協力に関する共通認識を整理統合したものであり、双方が今後協力するための全体的な枠組みを構築した。

  (出典:中国国家知識産権局政務ウィーチャット)

 
 
注目判決

 
集佳による特許行政クレーム ドイツFidlock社の特許の合法的権益保護

 

  このほど、Fidlock社と集佳訴訟チームのたゆまない努力の下、Fidlock社の4件の重要特許行政摘発案件の各請求が広東省東莞市市場監督管理局の全面的な支持を得た。東莞市市場監督管理局の決定により、被請求人に権利侵害を停止し、そのウェブサイト上の権利侵害製品関連画像を削除し、かつ権利侵害製品の製造、使用、販売の申し出、販売を停止するよう命じた。

  事例説明:

  ドイツに本社があるFidlock社は世界の留め具製品の主なサプライヤーである。Fidlock社は世界で唯一の技術に基づくオリジナルのユーザーフレンドリーな留め具を提供し、その製品は従来のソリューションと市場の勢力図を徹底的に変え、マグネットバックルの特長および機械的ロック機能の特長を結び付けた。上述の技術イノベーションを保護するため、Fidllock社は中国を含む多くの国において関連技術成果について一連の特許を出願した。

  被請求人である東莞市の某スポーツ用品有限公司はプラステチック製品の金型設計および射出成形製品加工に長年携わり、特許侵害の吸着式ロックを多種類製造・販売し、かつその公式サイトにおいて販売の申出行為を行った。以上の行為によりFidlock社の特許権を深刻に侵害した。

  このため、Fidllock社は東莞市市場監督管理局に特許行政摘発を請求した。東莞市市場監督管理局は法に基づき合議体を編成し、この案件の審理を担当し、口頭審理前に現場調査を行った。2020年6月3日、合議体は口頭審理を主管し、かつ代理人の集佳と被請求人から案件に対する詳細陳述意見を十分に聞き取った。その後、東莞市市場監督管理局は東莞市知識産権局権利保護支援センター専門家チームが作成した「特許侵害判定諮問意見書」に基づき決定し、被疑権利侵害製品がFidllock社の複数の特許の保護範囲に含まれていると認定し、被請求人に権利侵害を停止するよう命じた。

  案件の評価・分析:

  この案件は新型コロナウイルス感染症および案件の複雑さなどの理由から審理時間が延長されたが、一般的には特許権侵害訴訟と比較して、特許行政摘発の処理時間は短く、コストも低く、さらには特許行政法執行部門が職権に基づき現場調査を行うことができ、権利侵害の証拠をより得やすい。したがって、今後、特許行政法執行が特許権を保護する過程においてより重要な役割を果たすであろう。

 
集佳が代理を務める同方威視は商標審査に対する行政訴訟、検察監督案件で勝訴を収めた

 

  案件の概要:

  2013年1月31日、太弘威視公司は商標局に第12125350号「太弘威視TAIHONG VISIONおよび図」商標(係争商標)を出願し、第9類「非医療用X線発生装置および設備、警報器、距離記録器、電子防犯装置、ネットワーク通信設備、全地球測位システム(GPS)設備、輸送手段用無線設備、無線設備、アンテナ、内部通信機器」などの商品における登録が認められた。

  同方威視公司は当該係争商標が自社の先に出願した8件の「威視」または「威視」を含む引用商標と同一または類似する商品の類似商標を構成していると認識したため、2017年11月、原商標評審委員会に無効宣告請求を行い、商標登録を無効にする旨の審決が下された。

  太弘威視公司は原商標評審委員会が行った上述の決定を不服とし、北京知識産権法院に提訴した。北京知識産権法院は審理を経て、係争商標が使用を認められた「非医療用X線発生装置および設備」などの商品について同方威視公司の5件の引用商標と「商標法」第30条が示す同一種類または類似する商品に使用する類似商標を構成していることを認定し、太弘威視公司の訴訟請求を棄却する判決を下した。

  太弘威視公司は一審の判決に不服とし、北京市高級人民法院に上訴した。二審の訴訟段階において、太弘威視公司は北京市高級人民法院に上訴を取り下げ、北京市高級人民法院は2018年10月29日にその上訴取り下げを認めることを決定し、それにより一審判決が確定した。

  2019年10月31日、太弘威視公司は北京市高級人民法院に再審請求し、一審判決、原商標評審委員会による決定を取り消し、国家知識産権局に新たに決定するよう命じることを求めた。北京市高級人民法院は審理後、2020年1月20日、太弘威視公司の再審請求を棄却することを決定した。

  太弘威視公司はこれについて検察機関に検査監督を申請し、北京市人民検察院第四分院は2020年9月7日に受理を決定した。公聴会の段階において、太弘威視公司、国家知識産権局、同方威視公司は各自の意見を十分に述べた。北京市人民検察院第四分院は審査後、北京知識産権法院(2018)京73行初514号行政判決は事実が明確で、法律の適用が正確で、手続きが合法的であると認定した。太弘威視公司の監督申請は「行政訴訟法」第91条に定める監督条件に適合しない。北京市人民検察院第四分院は太弘威視公司の監督申請を支持しないことを決定した。ここに至り、太弘威視公司第12125350号「太弘威視TAIHONG VISIONおよび図」商標の無効宣告決定をめぐって発生した商標行政訴訟一審、二審、再審、検察監督手続きすべてが終了した。2017年から2020年までの4年弱の間、集佳は同方威視技術股フン有限公司を支援し、最後に勝訴を収めた。

  典型事例の意義:

  商標審査に対する行政訴訟案件の検察監督申請は比較的少なく、特に本件のように一審、二審、再審手続き後に一方の当事者がさらに検察監督を提起する状況もまれである。当該案件は北京市人民検察院第四分院が行政訴訟監督案件について初めて公聴会を開いた案件であり、同様の案件で一定程度参照できる模範的意義を有する。

 
集佳が代理を務めるデュラセル社が電池の色彩の組合せ商標権保護に成功

 

  案件の概要:

  米国デュラセル社はハイパワータイプのアルカリ電池を製造販売する世界のトップ企業である。1964年に世界で「DURACELL」の商標使用を開始し、1973年からブロンズと黒の組合せの商標の使用を開始し、1993年から中国市場に参入した。デュラセル社は法に基づき「 」商標、「 」色彩を特定する商標、「 」色彩の組合せを特定する商標、および「 」色彩の組合せ商標の商標権を有し、使用を認められた商品は第9類「電池」などである。

  被疑権利侵害者が販売する電池はブロンズと黒の色彩の組合せを電池の外装として使用し、またブロンズと黒の使用位置(正極3分の1の面積をブロンズ、負極3分の2の面積を黒)、割合(約1:2)がデュラセル社の色彩の組合せ方の商標とほぼ一致している。このほか、係争電池は黒の部分に白地で「POWERCELL」の商標およびその他の説明を表示している。

  一部の権利侵害製品の写真は次のとおりである。

 

  集佳はデュラセル社の委任を受け、調査を経て証拠を取得し、浙江省義烏市人民法院に提訴した。

  法院の判決:

  浙江省義烏市人民法院は審理後、次のように認定した。

  デュラセル社の色彩の組合せ商標は中国で登録されている「DURACELL」、「金覇王」、「金能量」などの商標の組合せとともに強い識別性と高い知名度をすでに得ており、消費者に知られ、消費者が電池の色の組合わせの特徴に基づきデュラセル社の電池を他社が製造する商品と区別することができる。被疑権利侵害電池の外装の主要部分は真鍮色と黒であり、割合も約1:2であり、また被疑権利侵害電池およびその外装に「POWERCELL」の表示を使用し、関連消費者が商品の生産者について誤解しやすく、または両者に特定の関係が存在すると思わせ、デュラセル社の上記商標権を侵害した。

  典型事例の意義:

  色彩の組合せ商標は2種類以上の色彩が一定の割合、一定の配置順序に基づき構成される商標である。色彩のみからなる商標はその他従来の類型の商標と比較してその固有の識別性が弱い。一般的な状況においては色彩の組合せ商標は長期間使用されて初めて顕著な特徴となる。この案件において、デュラセル社はまた係争の色彩の組合せ商標が長期間大量に使用され、広告宣伝および販売促進を行い、デュラセル社のみを示すようになっていることについて、十分な証拠を提供して証明した。法院はその色彩の組合せがすでに業界内で一般的な包装外装となっているという被告の反対意見を認めなかった。この案件も色彩の組合せ商標権者が類似の権利保護案件を処理するための参考となる。