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No.162 October.28, 2019
 
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とんこう
 
目 録
ニュース
地理的表示専用標識に関する中国国家知識産権局の公告
WIPO加盟国総会で国際条約への新規加入数が過去最高に
WIPOが「世界知的財産権指標」を発表
注目判決
不明瞭な請求項は保護されない――白鶴灘水力発電所の止水枠施工方法および装置に関する特許権侵害および無効審判請求訴訟代理の記録
集佳の最新動向
集佳のパートナー、趙雷弁護士がINTAの中国グローバル諮問委員会共同委員長に選出
集佳の李文紅弁護士が「2019年同済中欧イノベーション・競争フォーラム」に参加し講演
集佳が成都ハイテク産業開発区のバイオメディカル企業に専利無効、注意喚起分析および国際特許保護に関する研修を実施
集佳パートナーの潘煒氏、鄭斌氏が同済大学・WIPO知的財産権法修士育成プロジェクトで講義
 
 
ニュース

 
地理的表示専用標識に関する中国国家知識産権局の公告

 

  「中華人民共和国民法総則」「中華人民共和国商標法」「中華人民共和国商標法実施条例」「地理的表示製品保護規定」「団体商標および証明商標の登録・管理弁法」に基づき、地理的表示専用標識の公式標識を決定し、ここに公布する。具体的な様式は次の通りとする。

  これに伴い、地理的表示に係る従来の専用標識を廃止し、従来の標識の使用移行期間は2020年12月31日までとする。(引用元:中国国家知識産権局)

 
WIPO加盟国総会で国際条約への新規加入数が過去最高に

 

  第59回世界知的所有権機関(WIPO)加盟国総会がこのほど閉幕した。今年の会議期間中、WIPOに加盟する192か国から1,200名余りの代表が参加し、2020年から2021年の2年間におけるWIPOの活動計画および関連予算など幅広い議題が話し合われて合意に至り、WIPOが管理する国際条約への新規加入数が過去最高となったという。総会期間中だけでも、加盟7か国から11件の加入書または批准書が提出された。

  このうち、ベトナムは意匠登録に関する国際制度に加入し、ハーグ条約の61番目の締約国となった。ハーグ条約では、単一の国際出願と手数料一式により、現在は数十か国で意匠が保護される。また、サモアは「特許協力条約」「ハーグ条約」「原産地名称および地理的表示に関するリスボン協定のジュネーブ改正協定」の3つの条約に加盟した。トリニダードトバゴは「視聴覚的実演に関する北京条約」に加入し、28番目の加盟国となった。この条約は、締約国が30か国となった時点で効力を生じる。(引用元:中国知識産権報)

 
WIPOが「世界知的財産権指標」を発表

 

   世界知的所有権機関(WIPO)はこのほど、スイス・ジュネーブで「世界知的財産権指標」(WIPI)2019年度報告書を発表した。

   報告書によると、外国への出願は、新たな市場拡大志向を表す。2019年、アメリカ国民による国内と同様の扱いを受ける海外への特許出願は23万85件で、引き続き世界首位を維持した。中国は、日本、ドイツ、韓国に次いで、6万6,429件で世界4位となった。また、中国で有効な特許のうち約30%は外国出願人が出願したものとなっている。

   報告書によると、2018年には世界で有効な地理的表示は計約6万5,900件あり、そのうち中国は7,247件で世界2位となっている。ワインおよびスピリッツに関して有効な地理的表示は、2018年の世界総数において51.1%を占め、次に農産物および食品(29.9%)、手工芸品(2.7%)となっている。2018年、中国は、手工芸品分野で有効な地理的表示を100件以上保有している。

   さらに報告書によると、2018年、世界のイノベーターによる特許出願は330万件となり、伸び率5.2%と9年連続で増加した。また、世界の商標出願件数は1,430万件に増加した。工業製品意匠の出願総数は130万件に達した。世界の植物新品種の登録出願件数は8.9%増加し、2万210件となった。(引用元:中国知識産権報)

 
注目判決

 
不明瞭な請求項は保護されない――白鶴灘水力発電所の止水枠施工方法および装置に関する特許権侵害および無効審判請求訴訟代理の記録

 

  基本概要:

  白鶴灘水力発電所は、四川省涼山州寧南県と雲南省昭通市巧家県境界内の金沙江下流の本流に位置する、国務院が承認した「長江流域総合計画(2012年~2030年)」における一級水力発電所であり、建設中のものとしては世界最大の水力発電所である。

  被告1の中国水利水電第八工程局有限公司は、白鶴灘水力発電所右岸ダムの土木工事および金属構造物設置工事を請け負った。同社は、右岸ダム工事の導水路低水放流管止水枠設置を行うため、被告2の北京卓良模板有限公司が製造、販売する「止水枠油圧式型枠自動上昇台車」装置を使用した。

  原告の成都阿朗科技責任有限公司は、名称を「止水枠施工方法および装置」とする第ZL201310018684.3号特許を有しており、被告2社の行為が特許権侵害を構成すると考え、特許権侵害行為の停止と、巨額の損害賠償を求めて長沙市中級人民法院に訴訟を提起した。事件番号は(2018)湘01民初7000号である。

  集佳は被告の依頼を引き受け、迅速に動き、関連する証拠材料を収集した。

  裁判所の判決:  

  2019年9月9日、集佳は、長沙市中級人民法院が発出した、成都阿朗科技有限責任公司の訴訟取り下げを認める民事裁定書を受け取った。

  これをもって、集佳が被告会社の代理となった白鶴灘水力発電所の止水枠施工方法および装置に関する特許権侵害および無効審判請求事件において、全面的勝利を得た。この事件は、専利法第26条第3項および第4項が適用され、特許権を無効とした典型事例である。

 
集佳の最新動向

 
集佳のパートナー、趙雷弁護士がINTAの中国グローバル諮問委員会共同委員長に選出

  北京時間9月23日、国際商標協会(INTA)委員会会議で、集佳のパートナーである趙雷弁護士をINTAの中国グローバル諮問委員会(Global Advisory Council, GAC)の次期共同委員長に任命するとした決議が採択された。

  趙雷弁護士は、2020~2021年の任期中、グローバル諮問委員会の共同委員長として、主にINTAの会長およびCEOへの意見・助言の提出、地域的政策の拡充や注目される問題について方向性の提示、異業種交流およびコミュニケーションの促進、意義深い業務プロジェクトやシンポジウムへの参加など、INTAにおいて専門的な職責を果たし、中国の商標界と世界の同業者との緊密な関係を強化し、知的財産権の保護を進めていく。

 
 
集佳の李文紅弁護士が「2019年同済中欧イノベーション・競争フォーラム」に参加し講演

  10月19日、同済大学上海国際知識産権学院において「2019年同済中欧イノベーション・競争フォーラム」が開催された。今回のフォーラムのテーマは「データ、知的財産権と独占禁止」であった。

  フォーラムには集佳律所上海分所主任の李文紅弁護士が参加して講演を行った。李主任は講演で、中国企業におけるデータ保護に関する事例を詳しく紹介し、司法実務における模索と経験の全体像を明確に示した。

  フォーラムの期間中に、ドイツのマックス・プランク研究所Innovation and Entrepreneurship Research所長Dietmar Harhoff 教授の一行がわざわざ集佳上海分所を見学に訪れ、李主任およびパートナーの李擘弁護士が誠意をもって対応し、知的財産権制度の改革などの話題について交流・検討を行った。

 
 
集佳が成都ハイテク産業開発区のバイオメディカル企業に専利無効、注意喚起分析および国際特許保護に関する研修を実施

  10月24日、北京集佳知識産権代理有限公司、北京市集佳律師事務所が協賛する「成都ハイテク産業開発区バイオメディカル企業のための専利無効、注意喚起分析および国際特許保護研修」が、ハイテク産業開発区の菁蓉国際広場において開催された。

  集佳律所のパートナー、専利代理師、最高人民法院知的財産権事例指導(北京)拠点専門家諮問委員会エキスパートである武樹辰講師が、参加企業を前に「製薬企業における専利無効審判請求手続の重要性――2008年~2018年の専利無効審判事件の統計分析」をテーマとした研修を行った。研修は、中国における専利無効審判請求手続、2008年~2018年の専利無効審判事件の分析・解説および2014年~2018年の専利復審無効事件10件が、製薬企業に示唆することを示すものとなった。

  集佳パートナー、専利代理師、中華全国専利代理人協会プロフェッショナルトレーナーの彭鯤鵬博士は参加企業に向け、「バイオメディカル企業の高付加価値専利と海外専利」をテーマに研修を行った。また、現在、企業から注目されているFTOによる侵害リスク分析、特許性分析などについて、踏み込んだ解説および分析が行われた。

  講座を担当した2名の講師は、企業の具体的な問題について逐一詳細に答えるとともに専門的な助言を行い、研修に参加した代表者らの反応は熱のこもったもので、実り多い研修となった。

 
 
集佳パートナーの潘煒氏、鄭斌氏が同済大学・WIPO知的財産権法修士育成プロジェクトで講義

  10月22日~25日、集佳パートナー、専利代理師の潘煒弁護士、および同じく集佳パートナー、専利代理師の鄭斌講師は、同済大学上海知識産権学院に招かれ、「WIPO-同済大学による知的財産権法修士共同育成プロジェクト」2019年度新入生に、英語で授業を行った。

  同済大学は、研究生共同育成プロジェクトという形で世界知的所有権機関(WIPO)と協力する中国で最初かつ現在唯一の大学とのことである。今回は集佳にとって、この修士育成プロジェクトでの連続3年目の授業でもあった。

  潘煒博士は国際専利業務代理の豊富な経験を有し、授業ではヨーロッパの特許法における手続的要件および実質的要件について踏み込んだ解説が行われるとともに、ヨーロッパでの特許出願事例の分析を通じて、出願人と代理人の立場から、ヨーロッパでの特許出願における方向性と考察が示された。また、潘煒講師はさらに、ヨーロッパで実施されている意匠保護の考え方および実務について解説した。

  鄭斌講師は、中国における専利の実務に対する理解・認識が深く、欧米各国の特許庁のバイオメディカル分野における実務についても詳しく、外国にかかわる特許出願に豊富な経験をもつ。授業では、専利法の思想と理論について、国内外の医薬分野における知的財産権保護の実践を紹介するとともに、具体的な事例を踏まえ、ダイナミックな分析が行われた。

  講師2名は授業で、関連知識と国際ルールについて踏み込んだ解説を行ったほか、中国と世界の専利出願の実務を密接に関連づけ、関連する理論をさらに詳しく解説した。講師の豊富で深みのある実務経験と専門的な視点は、学生の深い思考を導き、そろって好評を博した。