基本概要:
騰訊公司(テンセント)が第9類コンピューターソフトウェアなどの商品および第38類通信類の役務を指定商品・役務として登録している「微信」とそれに対応する「Wechat」商標は関連公衆の間で極めて高い知名度を有し、また、非常に高いブランド価値を有する。
微信食品公司は2015年4月14日に「微信」を自社の商号として会社登記を行い、「微信食品 Wechat Food」の標識を使用して多くの系列の飲食店、オフラインのスーパーマーケット、オンラインのショッピングモールを開設した。これら以外にも、微信食品公司はさまざまなチャネルを通じて、その飲食店、スーパーマーケットの加盟店募集制度を広く宣伝し、フランチャイズ形式により騰訊公司の「 」、「 」ブランドに悪意をもって便乗し、巨額の利益を得た。本件一審の審理期間にも、微信食品公司はその権利侵害行為の範囲をさらに拡大し、全国各地で「微信食品」の標識を使用して、流通パーク、ホテルなどを開設し、権利侵害は莫大な規模となった。
法院の判決:
北京市集佳弁護士事務所は騰訊科技(深圳)有限公司などの代理人として深圳市微信食品股份有限公司などを提訴した商標権侵害および不正競争事件の二審で勝訴し、北京市高級人民法院は一審判決に基づき、次の内容を認定した。
1.騰訊公司が保有する第9類と第38類の「」と「 」商標は微信食品公司が設立した時点ですでに馳名商標(日本の「著名商標」に相当――訳注)を構成している。
2.微信食品公司が「微信食品」、「Wechat Food」の標識を使用して、レストラン、スーパーマーケット、オンラインショッピングモール、流通パークなどを経営する一連の行為は騰訊公司の商標権を侵害した。
3.微信食品公司が「微信」を自社の商号として登記したことは信義誠実の原則および商業道徳に反し、不正競争を構成する。
4.微信食品公司は騰訊公司に対して権利侵害行為により得た利益および騰訊公司の権益保護のための合理的支出計1,029万余元を賠償する。
また、北京市高級人民法院は微信食品公司が保有する第29類「微信」商標がすでに無効の審決を受けている事実に基づき、一審法院が認定した基礎の上に是正し、微信食品公司の第29類商標に係る被疑侵害行為が騰訊公司の商標権に対する侵害も構成することを認定した。
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