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No.157 May.28, 2019
 
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集佳知識産権代理有限公司
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四川省九寨溝
 
目 録
ニュース
中国におけるPCT制度の実施状況に関する調査報告書(2018年)
中国のイノベーション指数が世界17位に上昇
注目判決
ラフィットワイナリーが再び勝利——「拉斐特」城堡酒店第43類商標が無効
集佳の最新動向
集佳が国際商標協会(INTA)第141回年次総会に参加
第8回中国競争政策フォーラムが海口で開催、集佳の李永波弁護士が招待に応じ講演を行う
集佳が専利管理研修拡大会議を開催、最新の専利政策規範を学習、徹底
集佳が2019年蘇州市海外知的財産権保護フォーラムを成功裏に開催
 
 
ニュース

 
中国におけるPCT制度の実施状況に関する調査報告書(2018年)

 

  2018年、中国の国家知識産権局は、中国におけるPCT制度の実施状況の調査を引き続き実施した。

  (一)PCT国際出願件数は速い速度の増加傾向を維持

  世界知的所有権機関が公表したデータによると、2018年、中国からのPCT国際出願件数は5万3,345件で、世界2位であった。

  (二)PCT国際出願の地域別の分布と技術別の分布は集中する局面を維持

  地域別の分布から見て、2017年、中国のPCT国際出願は依然として広東省、北京市、江蘇省などの地域に集中した。

  (三)PCT国際出願の代理率は高く、電子出願が主な出願方式となった

  (四)中国のPCT国際出願が国内段階に移行する分野の分布は比較的集中

  中国のPCT国際出願がPCT国内段階に移行する割合が高い分野は、光学、半導体、視聴覚技術、デジタル通信、コンピュータ技術分野である。そのうち、光学、半導体、視聴覚技術、デジタル通信分野の割合は50%を超え、特に光学分野は71.7%に上った。

  (五)一部の出願人によるPCT制度の活用効率が顕著に改善

  2012年から2014年にかけて、アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国は依然として中国のPCT国際出願が国内段階移行の主な指定国・地域であった。期間中、中国のPCT国際出願が各指定国で国内段階に移行する回数は0.78から0.85に増加した。(出所:中国国家知識産権局ウェブサイト)  

中国のイノベーション指数が世界17位に上昇

 

  2018年、中国の知的財産権強国の建設は着実に進み、知的財産権の審査の品質と効率は継続的に高まり、商標登録の平均審査期間は6か月まで短縮され、高価値の専利の審査期間は10%短縮され、通年の専利の減免された費用の累計は58億6,000万元であった。

  データによると、2018年末時点で、中国国内(香港・マカオ・台湾を含まない)の特許の保有件数は前年比18.1%増の160万2,000件に上り、1万人あたりの特許の保有件数は11.5件となった。マドリッド協定議定書に基づく国際商標出願件数は前年比37.1%増の6,594件だった。承認された地理的表示産品は累計2,380件、登録された地理的表示商標は4,867件となった。農業新品種の育成者権の付与件数は1,990件、植物新品種の育成者権の付与件数は405件で、それぞれ前年比34%増、153.1%増であった。著作物、コンピュータソフトウェア著作権の登録件数はそれぞれ前年比17.48%増、48.22%増の235万件、110万件であった。

  世界知的所有権機関が公表した「グローバル・イノベーション・インデックス2018」によると、中国は世界17位まで上昇し、上位20位に入った唯一の中等所得経済体となった。(出所:中国知識産権資訊網)

 
注目判決

 
ラフィットワイナリーが再び勝利——「拉斐特」城堡酒店第43類商標が無効

 

  事件の概要:

  北京拉斐特城堡酒店有限公司(北京ラフィッテキャッスルパーク)は、自ら運営するウェブサイトで、自身が「酒文化、フランス式建築物、彫刻、ガーデニングアートを統合し、大規模なパフォーマンスイベント、パーティー、展示会、エグゼクティブ会議、中国式・洋式の結婚式を行う理想の場所」と宣伝した。拉斐特城堡は2007年から第43類「宿泊所(食事提供旅館)」などのサービスで多くの「LAFFITTE」、「拉斐特」、「拉斐特城堡 CHATEAU LAFFITTE」といった商標を登録出願した。これらの商標は明らかにラフィットワイナリーの商標「LAFITE」、「拉菲」の複製、模倣、翻訳であり、ラフィットワイナリーは中国語の商標「拉斐特」を含め、自身が早期に登録出願した関連商標について、まず先に無効審判を請求した。

  2015年10月8日、ラフィットワイナリーは国家知識産権局(旧国家工商行政管理総局商標評審委員会)に無効審判を請求した。商標評審委員会は、係争商標「拉斐特」は、引用商標「LAFITE」の全体の視覚的効果に大きな差異があり、かつ商標の指定役務はラフィットワイナリーの商標「LAFITE」を有名たらしめる商品と大きく異なると判断し、商標「拉斐特」に対して登録を維持する裁定を下した。ラフィットワイナリーはこの裁定を不服とし、北京知識産権法院に提訴した。

  法院による判决:  

  一審の北京知識産権法院と二審の北京市高級人民法院はいずれも、商標「LAFITE」はワイン商品において、係争商標の登録出願日である2007年5月17日より前からすでに著名になっており、馳名商標(日本の著名商標に相当――訳注)と認定されるべきであるとした。ラフィットワイナリーは長年の商業・経営活動を通じて、客観的に「拉菲」と「LAFITE」の間に確固とした関係を築き、中国の公衆も一般的に「拉菲」を「LAFITE」として認識している。この状況において、本事件の係争商標「拉斐特」は、引用商標「LAFITE」の複製、模倣、翻訳に該当する。係争商標は「バイキング、ホテル、宿泊所(旅館、食事付寄宿所)、カクテルパーティーサービス、バー」などを指定役務としており、公衆を誤った方向に導くおそれがあるから、係争商標を無効とすべきである。

  典型的な意義:

  この事件の典型的な意義は、中国語(漢字)の商標が英語(アルファベット)の馳名商標の複製、模倣、翻訳と認定され、馳名商標が分類を超え、密接な関係にない商品と役務において保護された点にある。

  事件は「商標法」第13条第3項の適用に関する問題にすぎないものの、商標の類似性判断、中国語・英語商標の唯一の対応関係の判断、馳名商標の保護範囲の判断、商標出願人の悪意の基準など、さまざまな問題にかかわっている。これらの問題は、論証および立証において全面的に考慮しなければならず、どちらも欠けてはならない。大局的思考を形成することのみが、権利を守る鍵であり、一つひとつ細部を捉えてこそ、事件で勝利を手にすることができる。

 
集佳の最新動向

 
集佳が国際商標協会(INTA)第141回年次総会に参加

  現地時間5月18日から22日にかけて、世界の知的財産業界のトップレベルの盛会――国際商標協会(INTA)第141回年次総会がアメリカマサチューセッツ州にあるボストンコンベンション&エキシビジョンセンター(BCEC)で盛大に開催された。集佳はINTAの会員として、趙雷、顧晋偉、黄鴬、周新艶、魏煒、鄭毅、潘煒、李兵、秦麗麗、Gordiano、譚雅琦らパートナー弁護士と顧問で構成する16名の代表団が参加した。

 

  5月20日、集佳のシニアパートナー弁護士である趙雷氏はINTAの招待を受け、「意匠、著作権、トレードドレスの相互作用と相互影響」をテーマに、INTA第141回年次総会のメイン会場にて基調講演を行った。趙氏は南アフリカ、アメリカ、アルゼンチン、スペインの知的財産の専門家と共にパネリストとして、世界の各主要地域の意匠、著作権、トレードドレスなどのさまざまな知的財産に関する保護戦略と実務の問題について意見交換、議論を行った。また、趙氏は、インドと日本の保護の仕組み、そしてそれが中国の状況と極めて似ていることを紹介した。また、トレードドレスの保護について、中国、インド、日本のいずれの国でも、知的財産権の権利者は立体商標、著作権、意匠など複数の保護手段があり、各権利の長所と短所を踏まえて、最も優れた保護効果を実現すべきである旨を指摘した。

 

  今回のINTA年次総会は、300か所以上でパネルディスカッションや円卓会議などさまざまな形式の交流会が開かれ、テーマは、商標、知的財産権とイノベーション、マーケティング、経済の健全な発展と今後の方向性など、知的財産権をめぐる注目度の高い話題を網羅した。世界150を超える国・地域から知的財産権関連業務従事者、政府関係者、有識者、企業の代表者1万1,000人以上が参加した。

 
 
第8回中国競争政策フォーラムが海口で開催、集佳の李永波弁護士が招待に応じ講演を行う

  5月7日から8日にかけて、国家市場監督管理総局と海南省政府が主催する第8回中国競争政策フォーラムが海南省海口市で盛大に開催された。今回のフォーラムは、「より高い水準の開放・競争政策――中国自由貿易区/自由港の整備の視点から」というテーマで行われた。また、中国国家市場監督管理総局発展研究センターが主催する中国市場監督管理円卓会議――「独占禁止法執行実践発展フォーラム」も予定どおり行われた。集佳律師事務所のシニアパートナーである李永波弁護士が招待されてフォーラムに出席し、円卓会議にて講演を行った。

  李永波弁護士は「独占禁止法施行による産業の保護」について紹介した。李氏は事例をあげながらLED市場の現状、MOCVD技術の歩み、関連市場の支配的地位および業界の競争状況を分析し、得られた独占企業の経済分析の結果から、独占禁止行政法施行による産業の保護の重要な役割について説明した。

 
 
集佳が専利管理研修拡大会議を開催、最新の専利政策規範を学習、徹底

  専利代理業界の規範をいっそう深く学習、徹底し、最新の政策・法令をより適切に理解し、実際の業務を効果的に指導するため、5月23日午後、集佳は主管級以上の人員を対象とする専利管理研修拡大会議を開催した。会議では、李徳山副所長を講師とし、集佳の主管全員が対面授業、テレビ会議などで参加し、最近公布された各種専利代理業界の政策規範の学習に真剣に取り組んだ。

  于澤輝所長は、「知的財産権代理業界の一員として、集佳は業界の各種法律規範を厳守し、業界の健全で秩序ある発展を促進する責任がある。内部のコンプライアンス研修、業務執行紀律研修は、集佳にとって非常に重要であり、私たちが正しく業務を行い、業務の中で存在する問題と不備を速やかに発見し、改善し、ポジティブで健全な企業イメージをよりよく構築し、維持することに役立つであろう」と指摘した。

  李徳山副所長はまず、国務院が公布し、2019年3月1日から実施された「専利代理条例」(改正版)、国家市場監督管理総局が公布し、2019年5月1から実施された「専利代理管理弁法」、国家知識産権局が2019年4月に公布した「専利代理監督管理の強化に関する業務案」、国家知識産権局が公布し、2017年4月1日から実施された「専利出願行為の適正化に関する若干の規定」および北京市専利代理士協会が公布し、2019年6月1日から実施される「北京市専利代理業務執行自律規範」など、最近公布または実施された最新の政策・法令を紹介した。そして、徳山副所長は、これらの政策・規範の主な内容を踏まえ、専利代理業務執行の紀律をテーマとし、専利代理士(弁理士)と専利代理機関の業務において根絶すべき行為について説明し、弁理士と専利代理機関が業界の法律規範を厳守し、業務執行行為を規範化しなければならない旨を強調した。最後に、徳山副所長は、自身の長年にわたる仕事の心得について話し、「良心を持ち、真心で人に接し、心を尽くして事に当たる」こと、初心を忘れず、専利代理業務を着実に行い、共同で専利代理業務執行の好ましい環境を醸成することの必要性を説いた。

  今回の研修は適時に実施され、内容が豊富であった。徳山副所長の説明により、参加者は専利代理業界の各種最新の政策・規範に対する理解を深め、法に則り、誠意を尽くして業務にあたる意識と責任感をいっそう強めることができた。また、今回の研修は、実務にとっても大きな指導的意義を持ち、集佳の弁理士の資質向上に貢献し、集佳の代理業務のより速く、より良い発展のために、確固とした基礎を築いた。

  

 
 
集佳が2019年蘇州市海外知的財産権保護フォーラムを成功裏に開催

  5月6日午後、蘇州市知識産権局、北京集佳知識産権代理有限公司、ドイツZSP特許事務所が共催する「蘇州市海外知識産権保護フォーラム」が蘇州でつつがなく開催された。

  グローバル経済統合の加速と中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード――訳注)構想が急速な進展をみせる中、蘇州市の企業の合法的な権利利益を十分に保護し、企業の海外進出における海外でのリスク対応力を強化し、企業の知的財産権の保護水準と国際競争力を引き上げるため、このフォーラムが開催された。蘇州市市場監督管理局(知識産権局)政策法規処の於亜萍処長が主宰し、国際知的財産権保護・権利保護に関する盛会が幕を開けた。

  フォーラムの冒頭で、蘇州市市場監督管理局(知識産権局)の施衛兵副局長が挨拶し、海外の特許出願に関する現状を紹介した。続いて、ドイツのZSP特許事務所のパートナー弁護士・Dr Susanne Schollweck氏が欧州の特許出願をめぐる重要な問題について全方位的な分析を行った。Dr Susanne Schollweck氏は、現行の条約と規則を重点的に解説し、時間、費用においていかに効果的に欧州に特許を出願するかを重点とし、欧州への特許出願の出願書類および出願の流れについて紹介した。

  引き続き、集佳のパートナー弁護士で国際商標部の責任者である周新艶主任が、中国企業の欧州での商標出願における問題点を挙げながら分析を行い、渉外商標権保護事件、海外での訴訟事件の詳細な解説を通じて、企業が海外でよりよくブランドを保護できるよう、現在の海外における裁判の動向を紹介し、出願の最適化、リスク管理について語った。

  最後に、集佳ドイツ支所の責任者である田軍鋒主任が、「中国企業が欧州で展示会に参加する際の注意事項」と題し、展示会の期間中に製品の権利侵害の発生をいかに回避するかについて事例を挙げながら詳細に解説し、企業の特許情報、商標情報の総合的な分析を通じて、企業が持続的に成長できるよう、企業の管理者向けに海外の技術の傾向を紹介し、特許戦略の最適化、権利侵害のリスク管理、侵害回避のための設計変更の実現について語った。

  講演が終了した後、ゲストと企業の代表者が関連のテーマについて積極的にコミュニケーションを図り、ドイツの専門家との幅広い質問の提起および意見交換が行われた。今回の知的財産権イベントは参加者の極めて意欲的な討論の中で円満に終了した。