2019年4月23日に《中華人民共和国反不正当競争法(第2次改正)》が第13回中国全国人民代表大会常務委員会第10回会議において可決され、改正条項は公布日(2019年4月23日)から施行される。改正点については以下のとおりである。
第9条
改正:営業秘密の定義に含まれる「技術情報と経営情報」を「技術情報、経営情報等の営業上の情報」に改正する。
改正:「取決めに違反する」を「秘密保持義務に違反する」に改正する。
追加:「電子的手段による侵入をもって権利者の営業秘密を獲得すること」、「秘密保持義務又は権利者の営業秘密保持に関する要求事項に違反するよう他人を教唆、誘惑、幇助して権利者の営業秘密を獲得、開示、使用し又は他人に使用させる許諾を与えること」、といった行為を追加する。
追加:事業者以外のその他の自然人、法人又は非法人組織が前項に掲げた違法行為を実施する場合は、営業秘密を侵害する行為とみなされる。
第17条、第21条
改正:法定賠償額を引き上げた。法定賠償額を300万元から500万元に引き上げた。
改正:営業秘密を侵害した場合の行政処罰の度合いを強化した。違法所得を押収するとの処罰を追加し、過料の限度額を50万元、300万元をそれぞれ100万元。500万元に引き上げた。
追加:営業秘密に係る侵害事件は懲罰的損害賠償制度に適用する。「事業者が悪意をもって営業秘密に係る侵害行為を実施し、情状が重大である場合は、権利者が権利侵害により受けた実際の損失又は権利侵害者が権利侵害により獲得した利益に応じて確定した金額の1倍以上5倍以下の幅で賠償額を確定する。」
第32条
追加:「営業秘密構成要件」における挙証責任移転について次の通り規定する。「営業秘密に係る侵害に関する民事裁判手続きにおいて、営業秘密の権利者が一応の証拠を提示し、主張する営業秘密に対して秘密保持措置を講じたことを証明し、かつ営業秘密が侵害されたことの適正な証明を行った場合は、侵害被疑者は権利者が主張した営業秘密が本法にいう営業秘密に属さないことを証明しなければならない。」
追加:「権利侵害行為」における挙証責任の移転について次の通り規定する。「営業秘密の権利者が一応の証拠を提示し、その営業秘密が侵害されたことの適正な証明を行い、かつ次の各号に掲げる証拠のいずれかを提供する場合は、侵害被疑者は営業秘密に係る侵害行為が存在しないことを証明しなければならない。
(1)侵害被疑者が営業秘密を獲得するルート又は機会があり、侵害被疑者が使用する情報が営業秘密と実質上同様であることを証明する証拠。
(2)営業秘密が侵害被疑者によりすでに開示、使用され、又は開示、使用される恐れがあることを証明する証拠。
(3)営業秘密が侵害被疑者に侵害されたことを証明するその他の証拠。」(出典:中国人大網)
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